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『タロット大辞典』についてのレビューを書いてみました。
タロット大辞典 について
2019年2月1日の時点で、アマゾンで星4と高評価されており、タロットカードに描かれている絵の意味を学びたい人には、強くおススメしたい一冊。
このタロット大辞典は、大アルカナと小アルカナの4つのスート(ワンド、カップ、ソード、ペンタクル)に、それぞれのストーリーを与え、ひとつの物語として各カードの解説をしているのが特徴です。
『タロット大辞典』と言う名前だけあって、カードの解説は非常に細かく、カードの絵柄の説明だけでなく、カードの絵に描かれている、色や気象、建物、人物、図形、動物、植物、道具などのシンボルの説明があります。
また、そのタロットのシンボルが夢分析や夢判断ではどういう意味があるのかなども説明されており、比較することで各シンボルの理解がより深まります。
タロットカードの一枚一枚の意味やカードに描かれている各シンボルがどういった意味を持っているのかを学びたい人には重宝する一冊になるでしょう。
ただし、カードの解説が中心なので、スプレッドの解説は少なく、充実しているとは言えません。
カードの意味を学ぶための事典と割り切った方が良いでしょう。
タロット大辞典 の主な内容
本書は第一部~三部構成となっており、その中で細かく章ごとに内容が分かれています。
ここでは、主な内容のみ説明します。
1. 大アルカナ
大アルカナの22枚のカードを古代ペルシアの光と闇の戦いの神話『ミトラの伝説』になぞり、それぞれのカードを説明しています。
構成としては最初に、カードに描かれている絵柄の解説、物語、願望、正位置と逆位置の関係、正位置のキーワード、逆位置のキーワード、事件の展開(時間的変化)となっています。
このページでは左のページから絵柄の解説が始まり、右のページの中段やや上から物語としての説明が始まります。
次のページでは、願望、正位置と逆位置の関係、正位置のキーワード、逆位置のキーワード、事件の展開(時間的変化)がまとめられています。
2. 小アルカナ
小アルカナはスートごとに物語の内容が分かれています。
下記にそれぞれの物語のタイトルを記します。
ワンド(火のアルカナ)
若きアレクサンダー大王の東方遠征の物語
カップ(水のアルカナ)
愛の真実を求める王子の物語
ソード(風のアルカナ)
革命運動に身を投じた若き女性闘士の物語
ペンタクル(地のアルカナ)
老城主が町の娘に語る人生の物語
解説のページの構成は大アルカナとほぼ同じで、カードに描かれている絵柄の解説/物語、願望、正位置と逆位置の関係、正位置のキーワード、逆位置のキーワード、事件の展開(時間的変化)となっています。
小アルカナを詳しく解説している書籍は少ないので、小アルカナに苦手意識のある人には本当におススメです。
ストーリー形式で読んでいくと、キーワードでカードの意味を覚えるよりも、頭に入りやすいですよ。
3. 占う前に
スプレッドの説明の前に、占いと祈りの関係、占う前の準備などの説明があります。
占いと祈りの関係のページでは、今回の大アルカナのストーリーの主役である、ミトラの啓示を受けた『預言者スピターマ・ザラシュトラ』について書かれており、少し宗教色が強くなっています。
直接タロットとは関係無いですが、ゾロアスター教の開祖でもあるザラシュトラの説明は興味深いものがあります。
4. スプレッド
初級者のためのスプレッド、応用力を養成するスプレッド、さらに実践力を発展させるためのスプレッドと章を分けてスプレッドの紹介&説明があります。
スリーカード、ケルト十字、二者択一など、オーソッドクスなスプレッドと立案計画マンダラ、解放者マー・マニのエヴァンゲリオンと言うスプレッドが紹介されています。
5. 意味の研究
大アルカナ、小アルカナの解説はカードごとにされていましたが、本書の第三部『意味の研究』からは、成功やチャンス、努力などのキーワードごとに、どのカードが該当するかの説明があります。
さらにタロットカードの絵柄の特徴である、象徴言語やタロットの文法の解釈の仕方、構図が意図するものなどが説明されています。
左のページでは構図の読み取り方、右のページからは、色や気象、建物、人物、図形、動物、植物、道具などのシンボルの説明が続きます。
タロット大辞典 の個人的な感想
タロットカードに描かれている絵を、シンボルごとにきちんと理解したい人は、必ず読んだ方が良い一冊だと思います。
シンボルの理解と言う意味において、これ以上の良書はそうそうありません。
もちろん、このタロット大辞典だけでは、絵柄(シンボル含む)の理解に片寄りが出るので、他の本も読むことをおススメはしますが、この本から読むことで他の本を読んだ時にさらに理解が広がると思います。
最初に書いたように、このタロット大辞典の特徴はストーリー仕立てでカードの解説がされているところですが、個人的に大アルカナのストーリーは、他にフールズジャーニーなどもあるので、このミトラ伝説の物語はタロットのアナザーストーリーのような感じで読みました。
ただ、小アルカナの物語については、ウエイト先生のタロット公式テキストブックでもワンドのカードでアレクサンダー大王の解釈が含まれているので、このまま覚えてしまって問題無いかと思います。
大アルカナのミトラ伝説と違い、小アルカナの4つの物語はタロットの解釈においてスタンダードな物語なので知らない人は、ぜひ一読を。
お値段は少々高いですが、価格に見合うだけの価値はあります!
僕にとって絶対に手放せない一冊です!
以上、『タロット大辞典/東条 真人【レビュー・感想】』でした。