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今回は、小アルカナの基本解説です。
ウエイト版タロットカードをお持ちの方は、ご自身のカードを見ながら解説をお読みいただく事をオススメします。
小アルカナ 解説と意味(スート・コートカード・数字)
タロットカードの小アルカナは4つのスート(マーク)に分かれ、それぞれ1~10までの数札があります。
さらに、スートごとにコートカードと呼ばれる4枚の宮廷札があり、小アルカナのカードは合計で56枚あります。
4つのスート:
ワンド(棍棒) / カップ(聖杯) / ソード(剣) / ペンタクル(金貨)
大アルカナの寓意画と同様に、小アルカナの各スートにも神話や占星術、旧約聖書、生命の樹など、色々な事象や性質が関連付けられています。
※別途、下記にその内容をまとめています。
コートカード:
キング(王) / クィーン(女王) / ナイト(騎士) / ペイジ(王子または従者)
コートカード(宮廷札)は、人物札とも呼ばれ、それぞれの人物によってベースとなる解釈が異なります。(画像はそれぞれのスートから1種類を抜粋)
また、コートカードはスートとの結びつきが強く、カードに描かれているシンボル(寓意)の多くは、スートの特徴を表わすものとなっています。
そのため、それぞれのコートカードに同じシンボル(寓意)が描かれている場合があります。
小アルカナのそれぞれのカードは、スートと数字、コートカードに基づいた寓意画が描かれていますので、これらの内容を把握しておけば、カード1枚ごとに意味を覚えるよりも理解が深まると思います。
ワンド(棍棒)
ワンド(棍棒)は、活動や熱意を象徴しています。
また、農民や労働者を表すスートでもあります。
ワンド(棍棒)は衝動的な面を持つ場合もありますが、心に勢いがある状態を示唆します。
棍棒は元々、農耕器具だったこともあり、種をまき、成長させ、収穫する農業とも関連しており、成長や創造などの暗示にもなります。
さらに、武器にもなることから、何事にも挑戦し続けるチャレンジ精神なども表します。
カードに描かれている棍棒には、緑葉がついており生命の息吹も感じることができます。
ワンド(棍棒)は、勢いと意欲、挑戦など、精神性(意思)に満ちたカードとイメージするとよいでしょう。
ワンド(棍棒)のスートと関連付けられている事象
キーワード | エネルギー、活力、創造、情熱、挑戦、行動、直感、楽観主義、前進、成長、発展、男性性(父性)など |
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四大元素・精霊 | 火・サラマンダー |
星座 | 火の星座:牡羊、獅子、射手 |
神聖四文字(IHVH) | I(ヨッド) |
生命の樹 | 流出界(アツィルト) |
テトラモルフ | ライオン:感覚的要素 |
福音書 | マルコ福音書 |
季節 | 春 |
方角 | 南 |
トランプ | クラブ |
カップ(聖杯)
カップ(聖杯)のスートは、感情や受容を表わし、幸福や愛、優しさを
中心に、豊かさ、美、芸術などを象徴しています。
カップ(聖杯)は、本能や潜在意識を象徴する水にも関連しており、入れ物によって形を変える水と同じく、相対するヒト、モノ、コトによって心が変化することも意味します。
また、カップ(聖杯)は聖職者を表すスートでもあります。
その為、学問、道徳、倫理の世界も象徴します。
基本的に物質的なことよりも精神的なこと、すなわち有形よりも無形のものを暗示します。
単純に考えるなら、感情や深層心理を暗示すると考えればよいでしょう。
カップ(聖杯)のスートと関連付けられている事象
キーワード | 感情、幸福、愛、友情、優しさ、美、学問、芸術、道徳、倫理、受容、想像、家族、女性性(母)など |
---|---|
四大元素・精霊 | 水・ウンディーネ |
星座 | 水の星座:蟹、蠍、魚 |
神聖四文字(IHVH) | H(へー) |
生命の樹 | 形成界(イェツラー) |
テトラモルフ | 鷲:感覚・精神・肉体要素が合わさった形 |
福音書 | ヨハネ福音書 |
季節 | 夏 |
方角 | 西 |
トランプ | ハート |
ソード(剣)
ソード(剣)のスートは、攻撃や闘争、力、勇気を象徴します。場合によっては、敵との争いを示唆し、理性や分析、情報など、合理的な考えや行いも意味します。
ソード(剣)は、主に災いや不運をイメージさせる寓意画が多く、数札の大半は障害やトラブルを暗示しますが、自ら道を切り開くための信念や意志の強さを表すカードでもあることを忘れてはいけません。
ソード(剣)のスートと関連付けられている事象
キーワード | 戦い、力、困難、決断、勇気、理性、情報、不運、知性、葛藤、悲嘆、公正、法律、男性性、など |
---|---|
四大元素・精霊 | 風(空気)・シルフ |
星座 | 風の星座:双子、天秤、水瓶 |
神聖四文字(IHVH) | V(ヴァウ) |
生命の樹 | 創造界(ベリア) |
テトラモルフ | 天使(翼を持つ人):精神的要素(思考、知性) |
福音書 | マタイ福音書 |
季節 | 秋 |
方角 | 北 |
トランプ | スペード |
ペンタクル(金貨)
ペンタクル(金貨)のスートは、物質や現実的な事象を象徴します。
また商人を表すスートでもあります。
一般的には、お金(財産)や時間など、客観的にも確認できるもの(ヒト・モノ・コトなど)を
示唆します。
また、数札にはさまざまな労働者が描かれており、仕事にも大きく関連しています。
その為、知識や技術、努力、継続、成果といった労働に関連することも表わします。
精神性よりも現実性が強く、貧富に関することや安定性、確実性、成果に関する暗示なども 現れると考えて良いでしょう。
ペンタクル(金貨)のスートと関連付けられている事象
キーワード | お金(財産)、労働、実績、人脈、現実、合理性、堅実、安定、成果、安全、物質(目に見えるモノ、客観視できるモノ)、女性性、など |
---|---|
四大元素・精霊 | 地(土)・ノーム |
星座 | 地(土)の星座:牡牛、乙女、山羊 |
神聖四文字(IHVH) | H(へー) |
生命の樹 | 物質界(アッシャー) |
テトラモルフ | 牡牛:肉体的要素 |
福音書 | ルカ福音書 |
季節 | 冬 |
方角 | 東 |
トランプ | ダイヤ |
コートカード
キング(王)
リーディングにおいて人物を特定する必要がある場合、キングのカードは男性を表わします。
一般的には、大人の男性(既婚、社会的に立場のある男性など)、責任、成功、権力、自信、結果、外向的などを象徴します。
クィーン(女王)
リーディングにおいて人物を特定する必要がある場合、クィーンのカードは女性を表わします。
一般的には、既婚女性(または大人の女性)、創造性、感情、受容、女性性、内向的などを象徴します。
ナイト(騎士)
リーディングにおいて人物を特定する必要がある場合、ナイトのカードは青年(状況によって男性と女性を使い分けます)を表わします。
一般的には、活動、行動、状況、男性的エネルギー、などを象徴します。
ペイジ(王子、または従者や小姓)
リーディングにおいて人物を特定する必要がある場合、ペイジのカードは少年もしくは少女を表わします。
一般的には、学習、探検、向上心、純粋、変化、情報、などを象徴します。
実年齢、性別に関係無く、未熟な人を示唆する場合もあります。
動画で学ぶ『コートカードの意味と解釈説明』
Youtubeでは上記の内容をベースに詳しく説明をしています。
数字の持つ意味について
各スートの数札には、1~10までの数字があり、それぞれの意味があります。
エース(1) | 物事の始まり、根源、基本的性質、など。 |
---|---|
2 | 調和(2項のバランス)、組み合わせ、二重性、など。 |
3 | 生産、発展(成長)、豊穣、三重性(三相)、など。 |
4 | 構造、安定、物質的、など。 |
5 | 仲間、活動、五感(五体)、など。 |
6 | 調和(バランス)、美、成功、など。 |
7 | 完全調和(基調)、混乱、戸惑い、均衡が崩れる、など。 |
8 | 破壊、成功、動き、調和、など。 |
9 | 充実、妥協、葛藤、など。 |
10 | 完了、次世代、希望、など。 |
動画で学ぶ『小アルカナ 数字の意味と解釈説明』
Youtubeでは上記の内容をベースに詳しく説明をしています。
最後に
小アルカナは、スート、コートカードが象徴するもの、数字の持つ意味などを組み合わせて考えると、理解しやすいかと思います。
もちろん、それぞれのカードには、これら以外の寓意も描かれているので、それらも含めて別途カードの解説もお読みいただければと思います。