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以前、タロット講座に来られたお客様から、「ウエイト版タロットと絵柄が違うタロットを使っているんですが、同じ意味で解釈していいんですか?」という質問をいただきました。
今まで深く考えたことは無かったですが、言われてみれば、確かに初心者の方は気になるかもしれませんね!
と言うわけで今回は、この質問にお答えしたいと思います。
はじめに
まず大前提として、タロットのリーディング方法に定番の考え方はあっても、絶対にこうリーディングしないといけないと言う決まりはありません。
極論ですが、相談者に満足していただけるのであれば、カードの意味や解釈にとらわれずに自由にリーディングしても問題ありません。
それはウエイト版のライダータロットでも同じです。
なので、「自由にリーディングすればいい」と言うのもひとつの答えだと言うことをアタマにいれておいてください。
その上で「ウエイト版ライダータロットと絵柄が違うタロットを使っているんですが、同じ意味で解釈していいんですか?」と聞かれると、僕の答えは「いいですよ。」となります。
初心者の方は特に、ウエイト版のカードごとでキーワードや解釈を覚えている人が多いと思うので、そっちの方がリーディングしやすいのであれば、絵柄が違ってもウエイト版の意味や解釈を使えば良いと思います。
ただ、自分の中であきらかに、「この絵はどう考えてもウエイト版の意味と同じように受け取れないな」と言うカードの絵柄も出てくると思うので、そのあたりも含めて、この質問に少し詳しく答えたいと思います。
カードの内容(象徴・シンボル)がほとんど同じ場合
下記の画像の右側のマカロンタロットや、女性に人気のグミベアタロットのように、ウエイト版ライダータロットをしっかり踏襲して作られているタロットカードは、『絵柄』が違っても描かれている『内容(象徴・シンボル)』が、ほぼ同じなので、ウエイト版と同じ解釈で全く問題ありません。
ウエイト版タロット(左)とマカロンタロット(右)の比較。
絵柄は違いますが、ほぼ同じ内容の象徴(シンボル)が描かれています。
自分の持っているタロットカードがウエイト版タロットと違う場合、まず何が違うのか調べましょう。
絵柄や絵のテイスト、雰囲気が違うだけで、描かれている象徴(シンボル)がほとんど同じなら、ウエイト版と同じリーディング(解釈)で大丈夫です。
カードの内容(象徴・シンボル)が違う場合
僕が普段の鑑定で使用しているのが、下記の画像の右側のモーガングリアタロットです。
このカードは、ウエイト版タロットの制作者、アーサー・エドワード・ウエイトの解釈にポール・フォスター・ケースの解釈を合わせたものとされています。
ウエイト版タロット(左)とモーガングリアタロット(右)の比較。
これは、『魔術師』のカードですが描かれている内容は、よく似てますよね。
このように似ているカードもウエイト版と同じ解釈で大丈夫です。
ただ、このモーガングリアタロットは、ポール・フォスター・ケースの解釈が混ざっているため、カードによってウエイト版タロットと内容が少し違うモノもあります。
これは『恋人たち』のカードですが、右側のモーガングリアタロットには、ウエイト版で描かれている『天使』が描かれていません。
『死神』のカードにいたっては、かなりの違いがあります。
ウエイト版は右を向いているのに、モーガングリア版は正面を向いてます。
描かれているそれぞれの象徴の意味や色、向きなどの違いが自分なりに理解できている、もしくは自分なりの解釈が確立できているのであれば、ウエイト版から離れて自分のやり方でリーディングすれば良いと思います。
そこまではわからないと言う方は、まずはウエイト版と同じ意味合いで解釈すれば大丈夫です。
ただ、ウエイト版と同じように解釈して、相談者の質問に対して的外れな答えを連発するようであれば、その解釈は変えた方が良いです。
これは人によって違ってくると思うので、まずは実践してみるしかありません。
ついでなので、もう一つ別のタロットカードも参考例として紹介します。
下記の画像の右側は天野喜孝先生が描かれたタロットカードで、僕が大好きなタロットカードの一つです。
左側のウエイト版のカードに赤マルで囲んだ部分が、タロットの解釈に必要な象徴(シンボル)なんですが、右側のカードにはそれらの象徴(シンボル)が全く見当たりません。
ウエイト版とは全く別物に見えますね。
このカードのように、ウエイト版タロットに書かれている象徴(シンボル)が全然見当たらないタロットカードも普通にあります。
ここまで変わってしまうと、ウエイト版と同じリーディングをして良いか悩んでしまいますね。
では、これらのカードのように描かれている内容がウエイト版と違う場合、どうリーディングすればよいかです。
とりあえず、自分のカードに描かれている内容を見てもリーディングできないと言う人は、ウエイト版と同じ解釈でリーディングをしましょう。
特に小アルカナに関しては、スートやコートカード、数字は共通なので、絵柄が違ってもウエイト版と同じ解釈になることも多々あるはずです。
ただし、途中にも書いたように、あきらからにウエイト版の解釈と絵柄のテイストが合わない、ウエイト版と同じ解釈でリーディングすると、的外れな答えばかり出る、と言う人は、下記のリーディング方法を参考にしてみてください。
1. カードを展開した時の全体の印象と各カードごとの印象
2. カードに描かれている象徴(シンボル)・色
3. 数字
下記で、それぞれ詳しく説明します。
1. カードを展開した時の全体の印象と各カードごとの印象
スプレッドを展開した時に、正位置が多い、大アルカナが多い、スートに片寄りがある、など、カードの細かい絵柄に関係無く、出現したカード全体の印象、それぞれのカードの印象から読み取れることも結構あります。
僕は、スプレッドを展開した際の第一印象を大事にしていて、『ややこしそうやな~』とか『何にも心配する必要ないやん!』とか、大まかな判断をすることも多々あります。
2. カードに描かれている象徴(シンボル)・色
なんだかんだで、カードに描かれている象徴(シンボル)・色からリーディングするのが一番簡単かと思います。
ただ、カードによってはウエイト版には出てこない象徴(シンボル)も出てくると思うので、その辺は自分で調べて、自分なりの解釈を考える必要があります。なんなら、その時の直感に頼るのも全然有りだと思います。
ちなみにこれはワンドの4のカード。
左のウエイト版と右のモーガングリア版を比べてると、似ているようで違いがあります。
右のモーガングリア版は、人物が描かれていませんし、奥に見えるお城も砂や土でできているように見えます。
そして、ウエイト版は78枚のカードを通して見ても、『土』『砂』と言った象徴はありません。(小アルカナの地のエレメントは『土』や『砂』とは別です。)
なので、こういう場合に自分なりに『土』や『砂』をどう解釈するか考えるわけです。
僕はこのカードの場合、『崩れやすい』とか『脆い』などと考えてます。
ですから、左のウエイト版は、祝福とか、ゴールは目の前とか、平和、歓迎、などのポジティブな意味合いでリーディングするのに対し、右のモーガングリア版は『砂上の楼閣』と言った意味合いでリーディングしています。
このワンドの4だけでなく、象徴(シンボル)がウエイト版と違うなら、僕は解釈をほとんど変えてます。
僕は、象徴からリーディングするのを重要視するタイプで、象徴(シンボル)の意味を考えるのも、すごく好きなんですよね。
ちなみに右側の魔術師のカードのように、ピックアップするシンボルが何も見当たらない場合は、素直にウエイト版の解釈をあてはめます。
このカードの場合、色からのリーディングも加えますが。
※タロットによっては全てのカードが白黒とか緑っぽいとか、78枚全体で色味を統一されたタロットもあるので、その場合は色が持つ意味は考えないようにします。
3. 数字
最後は数字です。
数字も絵柄に関係なく、どのタロットカードにもありますから、リーディングのヒントとして活用しやすいです。
小アルカナがメインになりますが、ウエイト版の数字の解釈をそのまま当てはめて問題ありません。
余談
ウエイト版のタロットは、占星術やカバラと関連付いてる部分もあるので、そこからリーディングを広げるのもありなんですが、それができる人は、そもそも『どんな絵柄のタロットデッキもウエイト版と同じ意味で考えていいの?』なんて疑問を持たないレベルだと思うので、あえて触れませんでした。
まとめ
「どんな絵柄のタロットデッキもウエイト版と同じ意味で考えていいの?」
答えは「イエス」です!
ただし、あきらからにウエイト版の解釈と絵柄のテイストが合わない、ウエイト版と同じ解釈でリーディングすると、的外れな答えばかり出る場合、カードの印象や、象徴(シンボル)、色、数字などから自分なりの解釈をしよう!
タロットを勉強し始めたばかりだと、なかなか自分の解釈に自信が持てなくて、書籍や他の占い師さんのリーディング方法を頼ることになると思いますが、ハズれることを気にせずに、自分なりの解釈方法や直感を元にリーディングを繰り返す方が、タロットの腕は上がりますよ!